キャンパスの”良さ”を発信する
9月20日、日吉キャンパスにて、矢上祭実行委員会 委員長の本村壮太さん(写真右、以下敬称略)と秋祭実行委員会 委員長の鈴木博子さん(写真中央、以下敬称略)、財務の中山貴仁さん(写真左、以下敬称略)にお話を伺いました。
―――団体概要について教えてください。
鈴木(秋):秋祭りは、今年は10月13日の土曜日に1日開催されます。今年のテーマは「池と花火と、それから私」で、「池」はみんながよく集まる鴨池というSFCの象徴を、そして「花火」は今年力を入れている秋祭の最後に上がる花火を表しています。また「私」は、実行委員はもちろん、ご協力してくださった方々、参加団体の方々を表しました。そして今年のコンセプトはSFCの良さを発信していこうという意味を込めて「SFCを発信する」となりました。
本村(矢):矢上祭実行委員会は、理工学部生だけで構成されていて、今年は委員数約300人を数えます。今年の矢上祭のテーマが、「カーニバル」となっていて、普段は物静かに研究がなされている、固いイメージのある矢上キャンパスを、老若男女が当日だけは心踊るようなカーニバルのような楽しい場所にしたいというコンセプトのもとやっています。一貫した矢上祭の特徴は、理工学部生が来場者に理工学の楽しさを伝え、理工学に親しみを感じてもらえる祭を作り上げるということです。
―――今年の特徴的な企画について教えてください。
鈴木(秋):今年は鈴木愛理さんというSFC出身のアイドルの方を呼んで、SFC時代の経験や、SFCの良いところを、トークショーしていただいたり、最後に歌って頂いたりします。
また今までは開閉会式がなく、自然と始まって自然と終わっていたのを変えるために、今回は開会式と閉会式を行います。花火へのボルテージをあげるために場所を設け、希望者は花火打ち上げの前に線香花火をすることができるという企画も考えています。
そしてMsコンテスト・Mrコンテストにも今年は力を入れています。さらに受験生向け企画をやります。もちろんオープンキャンパスなどもありますが、看護医療学部も含めてSFCなので、看護の子達の話も直接聞ける場を設けたいと思って、企画をやっています。
また去年から、国際交流企画というのもしています。SFCにはGIGA生という秋入学の人たちがいて、その人たちは一般の子とあまり関わる機会がありません。そこで、そのGIGA生の子たちと関わりができるきっかけになったらいいなということで、言語系研究会に屋台をやっていただき、教室企画で、この国ではこういうことがありますという紹介や、こういうゲームがありますよという紹介を秋祭が主導してやっていきます。
本村(矢):例年有名人をライブで呼んでいますが、今年は青山テルマさんをお呼びします。そしてゆうこすさんのトークショーもやります。
今年は理工学部のオープンキャンパスがなくなってしまったので、理工学部の良さを高校生に知ってもらう機会を矢上祭が学校に代わって提供していきたいということで、学校と前々から連携をとって、研究室ツアーを過去最大の6研究室3ツアー行う予定です。相談会も例年やっていましたが今年は教授の方も1人お呼びして、その方がお話しする時間も設けました。学校から研究室に声をかけていただいたことで、展示だけでなく実際に研究室に行く機会を設けることができました。
―――毎年の祭の様子を教えてください。
鈴木(秋):例年2日開催だったのが去年から1日開催になり7000~1万人が来場します。SFC関係者だけでなく、SFCに興味を持ってくださる近隣住民の方もいらっしゃいます。
祭のなかで一番盛り上がるのは第一ステージです。中でもダンスサークルW+I&Sの夜のステージが盛り上がっているように思います。他にもK.O.E、ロッ研などのサークルも公演を行なっています。もちろん花火も盛り上がります。
本村(矢):例年来場者は1万人前後で去年の来場者は10279人でした。今年は15000人が目標です。例年来てくださるのが、地元の子供の方が多いため今年は中高生にターゲットを絞ろうということで、塾にビラを配布したり、大学と掛け合って慶應の内部高校の説明会に参加させていただいたり、自分も母校に講演に行ったりしています。
慶應生向けビラも9月24日から5日間日吉と矢上で配ります。例年、2日目の夜の花火が人気でリピーターもいます。会場の前に、何十メートルも列ができたりグラウンドもいっぱいになったりするほど盛り上がります。
―――現状の課題はなんですか。
共通:雨。間違いなく雨です!
本村(矢):2年間今までやってきて、どっちか1日、雨が降ってしまっていました。去年は準備日が雨で大変で、ドロドロの状態で机やイスを運び、眠れない状態が続く中で本祭を迎えました。雨が降るとそのせいで、来場者も減ってしまいます。1年間来場者を増やすために頑張ってきたことが、雨で崩れるかもしれないという怖さがあります。
―――委員長として行っている取り組みを教えてください。
鈴木(秋):基本的には実行委員の皆のやりたいようにやってほしいと考えています。そのため企画などで、皆が思いついたことを実現するにはどうしたら良いか考えています。
また他の局やメンバーを知るため、「イベント事務局」を作りました。そこが、BBQ大会を企画しています。
また、学祭の前にやる決起会にあまり人が来てなかったので、人を呼んでそのあと食事会をするなど、みんなと関われる機会を作りました。
本村(矢):選挙で役員が決まるのが11月、12月に1年生がコンサートを開くので、その期間は活動できないです。そのため実際の本格的な活動期間は12月1回の会議から始まります。しかしそのあとすぐテスト期間に入ってしまうので今年度は12月の最後と1月の頭に企画・タスクの全紹介プレゼン大会と案出し会議をあらかじめ行いました。
他にはこの会議では、他局の仕事を知らないことが、自分たちの関心が薄れてしまう原因と考え、タスクやアイデアを共有できるようにしました。しかし課題も多いので、来年度もするなら引き継ぎをちゃんとしたいです。
あとは連絡系統を少し変えました。今年から全体LINEを使いはじめ、発言許可制というルールのもと、全体連絡をそこで行うようにし、これまでのメーリスと全体ラインの位置付けをしっかりさせました。
————どのような広報活動を行っていますか。
鈴木(秋):Twitter、Facebook、Instagram、ホームページが主な広報活動です。Twitterは公式とミスコンテスト運営のアカウント、ミスコンテスト候補者のアカウントをメインに使っています。
また、ポスターを早めに作って、学事経由で他キャンパスに配布してもらいました。
今年はビラ配布はしていません。その代わり地域のイベントのお手伝いをしたときにPRをさせていただいたり、ローカルラジオで広報担当が本祭直前に何度か喋ったりしています。
本村(矢):今年から、来場者を獲得するために広報に力を入れています。これまではTwitterだけでしたが、今年からYouTubeとInstagramをはじめました。Ms.コンテストやMr.コンテストを矢上祭として広報し、企画ごとのTwitterアカウントを作るなどもしました。
また塾にビラを置いたり、学内に貼るポスターも例年より増やしています。
また早稲田の理工学部の理工展や東工大の工大祭とコラボして広報をして理工学部に興味を持つ来場者を確保しようと考えています。
————学祭実行委員会委員長として、お互い聞いてみたいことはありますか。
本村(矢)→鈴木(秋):委員のモチベーションを上げるためにはどうしたらいいですか。
参加率が低いというのが昔からの課題で、自分は、内容が面白ければ来るのではないかともともと思っていましたが、そこまでやるのは難しいです。委員長や副委員長だけでなく局の雰囲気も大事なので現状でできることと言ったらルールを厳しくするしかないです。例年、無断欠席を何回したら面談というルールがありますが、それが徹底していなかったので、しっかりやることを心掛けました。
鈴木(秋):提出しなければいけないことや、期限内にやらなければならないことを、一年生にも仕事を振ってあげて、自分がそこに存在しているという価値を与えてモチベーションをあげることが大事だと思います。来ない理由を一年生に聞いてみると、「あまり今まで参加していなくて友達がいないから」という声を聞くことがあります。参加したら仲良くなるのだから、とりあえず来てもらうよう渉外局や一年生に声をかけてもらうと来る子は来ます。
鈴木(秋)→本村(矢):二年制で、一年生として仕事をしたらすぐ執行代になる。自覚を持たせるにはどうしたらいいですか。
本村(矢):矢上祭実行委員会は3年制で、今の2年生が来年執行代です。矢上祭にある7局の現在3年の局長クラスと2年の副局長クラスの全員で役員会を開いています。そこに参加させる雰囲気を持たせれば、一年間3年生がやっているのを間近に見ることになるし、仕事が直に振られるので、その中から例年次の委員長や副委員長、局長になりたいという人も出てきます。副局長になれなかった二年生は企画責任者などを勤め、現場指揮官としての意識を持つことで、局長選挙に出て来ます。結果として副局長出身と企画責任者出身で執行部がバトルすることになる時もあります(笑)。自覚を持っている子は、意外と多いです。去年は、委員長、副委員長など執行部の選挙はすべて倍率2倍でした(笑)。役員会などに2年生を参加させていれば、3年生と関わりながら仕事をしているという意識が自然と出てくるので、次の年は上の立場でやりたいという子も出てくると思います。
鈴木(秋):やはり3年制にしたいですね(笑)。
本村(矢):あとは1年生だけで運営する企画があると結構変わると思います。矢上祭実行委員会では、12月に「ウィンターコンサート」というものを企画しています。矢上キャンパスに塾内の音楽サークルをお呼びして行うものです。僕も1年生のころ、その副代表をして、団体をまとめる難しさを学ぶと同時に本祭も中心でやっていきたいという気持ちが芽生えました。位置づけとしては矢上祭の練習のような感じで、団体を呼ぶ練習や装飾、タイムテーブルの作成などを1年生だけで出来るのが特徴です。
鈴木(秋):それありですね、とても勉強になります。新しい発想でした。
鈴木(秋)→本村(矢):他大の学園祭との交流について教えてください。
本村(矢):学園祭グランプリやベストオブ学園祭、関東学園祭連合会などです。そこで他大の委員長の友達ができました。今仲の良い委員長グループがあって、本祭をお互い見に行こうと話しています。そこで意見交換なども行っています。活かすのは難しいですが、参加するのは悪いことではないと思います。
鈴木(秋):きっかけはそういう所にあるのですね、ありがとうございます。
————下の代や他のメンバーに委員長として伝えたいことはなんですか。
鈴木(秋):どんどん変わっていっていいんだよということです。
SFCは七夕祭と秋祭があります。七夕祭は地域の方たちと関わる夏祭のコンセプトのためその伝統を守らねばならないという部分があります。
一方秋祭では、SFCの良さを伝えるという目的があり、それは引き継いでほしいですが、これをやらなければいけないという、決められた形はありません。毎年やりたいことをやれるのだから、今年良かったところ・悪かったところを引き継いだ上で、自分たちの好きなように新しいことをやってほしいです。
本村(矢):今回が19回で、来年は20回目というアニバーサリー。前委員長が、18、19、20と三年間コースでやっていきたいという構想がありました。
これまでの矢上祭は毎年委員長によって方向性が違っていましたが18,19,20の三年間では「来場者を増やす」という統一された目標を掲げて取り組んでいます。1年目は新企画の試行。2年目はその改良。3年目に過去最大の来場者の達成。来年もそれを頭の片隅に置いてほしいです。
あとは、委員長は曲がっちゃいけないと思っていて、どんなにつらいことがあっても、下にその様子を見せてはいけないし、ちょっとでも曲がった姿が見えるとたぶん分かってしまう。自分は委員長になるころ、メッセージ性を強く伝えるために、とても大きな声で話すタイプでしたが、途中から自信がなくなってきて、声が小さくなっていた時期がありました。しかしそれはやってはいけない。仕事ができるできないに関わらず何があっても、1つの目標をメッセージとして伝え続けられる人が委員長になってほしいです。
————全塾協議会の課題はなんだと思いますか。
本村(矢):委員内での認知度が低いことです。偉い団体についているからちゃんとしなきゃいけないくらいの軽いイメージしかない。そこが課題です。
鈴木(秋):認知度をあげるために『開かれた全塾』にしてほしいです。もっと自由にみんなの意見を取り入れられるような団体にしたら良いと思います。また財務や予算に関する意見を言える場が欲しいです。 ————読者の皆さんに特に伝えたいことを教えてください。
本村(矢):今年は、特に中高生向けに理系のよさを楽しみながら触れていただける企画を例年以上に用意している他、有名人も2名お呼びするということで、今までにないカーニバル感を演出していきたいと思っております。ご来場よろしくお願いいたします。
鈴木(秋):今年は「SFCの良さを発信する」ということで、学術的側面や国際性など、SFCの多様性を発信します。SVRC(VRのサークル)など、SFCのサークルだから出来ることを用意しています。ぜひ来てください。
————最後に、団体構成について教えてください。
鈴木(秋):全体で130人で、今6つの局があります。運営59人、企画41人、渉外32人、広報31人、意匠19人、装飾47人です。中には兼局している人もいます。局の中でタスクごとに分かれ仕事をしていて意匠は主に、秋祭全体のポスターやビラ、パンフレットやパーカーのデザイン担当です。
委員長の代交代は12月末です。12月初旬に選挙告知があり、中旬に出馬。その後選挙し、下旬に決まります。代表が決まったのちに局長選挙を行います。今年はできたら早めたいと思っています。
本村(矢):執行部5人、室内、屋外、ステージ、装飾、総務、広報、渉外の7局で構成されています。それぞれの局に企画責任者や局長、副局長、企画責任者やチームリーダーがいます。また日吉キャンパスの1,2年生の代表として日吉代表があります。
代交代は委員長が10月末に決まり執行部が11月の頭、その他局長等も11月に決まります。一昨年の執行部の選挙は信任選挙でしたが、去年は2倍の倍率でした。
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