top of page

Vol.17 「山田塾生代表」

2021年2月9日、第5代塾生代表の山田健太さん(以下敬称略)にオンラインでお話を伺いました。

―――塾生代表になろうと思ったきっかけを教えてください。

新型コロナウイルス、この存在が間違いなく大きかったと考えています。コロナによって世界が一変しました。多くの大学が授業を維持するのが精一杯で、学園祭などのイベントを諦めました。しかし諦めるのではなく、何かできることがあるはずだという思いで史上初のオンライン学園祭である「オンライン七夕祭」に責任者として開催に携わり、これには非常に手ごたえを感じることができました。そしてオフラインの文化祭とはまた違った可能性を感じました。 オフラインの水準を目指す議論は多いですが、私は違う捉え方をしています。オンラインでもできることはできるし、むしろオンラインだからこそできることもあると感じているのです。「コロナ禍」で様々なことにチャレンジし、オンラインならではの問題解決手法を多く手に入れることができました。同時にオンラインに縛られることへの問題意識も持っています。自分自身サークルの代表として活動制限の厳しさを実感しました。誰が悪いというわけでもないですが、このままだと団体としてきついなと感じています。また大学生活が味気ないという人が周りにいて、このままだと大学が崩壊するレベルの問題だと感じました。オンラインに対してはそのような問題意識を持ちながらも、その問題をオンラインで解決してきた自負もありました。「この問題を義塾全体で解決しよう!」 そう思い塾生代表に立候補しました。

―――SFC初の塾生代表として、目標はどのようなものですか。

クリエイティブな意識があるということで、そこを期待されているという印象がありますが、私自身はあまりそうではないです。しかしそのような人が周りに多いからこそ良い影響を受けていると思います。また有事の際にはそういったアクティブさが求められているのかなとも思います。新しいことにはチャレンジしていきたいし、今こそそういうことが求められています。塾生代表とは即断即決を許してもらえる立場であると思っています。コロナ禍でそれは必要なのか、コロナ禍だからこれが必要だよね、といったことを即断即決でやっていきたいです。そして「コロナ禍ならではだった」「コロナ禍で変わったね」と一年後には言われるような政策を打ち出していきたいです。

―――塾生代表に立候補された理由について、オンラインでできることに色々チャレンジしていくというお話が出たと思うのですが、その最たるものの一つは新入生歓迎会だと思います。暫定的にしか決まっていない部分も多いかもしれませんが、新入生歓迎会について今後どのように展開していく予定でしょうか。

新入生歓迎会は間違いなく大事なものであると考えています。団体にとって大切なのは人だからです。

お金や地位や名誉があっても、人がいなければサークル活動は継続できません。サークルという大学生がつくる団体はまさにその点が他の一般の団体と違うと思っています。人がいないとどうにもならないし、だからこそ新入生歓迎会は本当にサークルにとっての生命線であると思っています。昨年の新入生歓迎会はお世辞にも多くの人にとって成功したとは言えないものであり、その結果多くの団体が窮地に立たされるような状況になってしまっています。サークルの継続性が問題になると慶應の文化が廃れていってしまいます。 多くの人や様々な団体が自由に活動をするからこそ慶應の文化が成り立っています。今「慶應らしさ」が崩壊の危機にあると思っており、二年連続での失敗は絶対許されません。薬学部・医学部等の例外はありますが、 学生生活は原則四年間であるということを踏まえると、本格的にサークルから人がいなくなってしまうことが考えられます。それは避けなければならない、という意識がこの問題を重要視している理由です。

具体的には、確実な新入生歓迎の場を提供できるようにしたいと考えています。昨年はオンラインでも場を用意できず、各自で頑張ってくださいという印象が強いように感じました。せめて今年は「オンライン、オフライン関係なく新入生を歓迎する場を必ず用意する」そんな思いでやっています。


そこで多くの新入生が必ず目を止められる環境を整備します。いかに新入生に届けるかということが最重要課題だと考えており、オンライン上で合同説明会を行いたいと思っています。約400の団体を紹介する場の構成を考えています。長すぎるかもしれないという懸念も上がっており、現1年生とも相談しましたが、それはそれで楽しいのではないかと思います。新入生も「せっかく慶應に来たのだから、慶應のイベントを楽しみたい」と思っていると信じています。そのような人たちにこれだけの団体があるということをお見せできれば楽しいのではないかなと思います。


またこのようなご時世だからこそ、キャンパスを超えた活動をしている団体もいます。その点では、違うキャンパスから違うキャンパスに移動するといった柔軟性がより確保できるようになったと思っています。


そしてイベントでは新入生や新2年生ができる限り同期と触れ合える空間を作っていきたいと思っています。 オフラインからオンラインに変わったことで、新入生のコミュニティがつくれなかったことが去年の一番大きかった課題であると思っています。だからこそ新入生歓迎会を通して横のつながりを形成できるようなイベントを予定しています。


またサークル側へのサポートとして作成したものを新入生に届ける環境づくりを進めています。 例えば新入生歓迎会全体のYouTubeチャンネルを作り、そこにサークル作成の動画を掲載していくというものを用意しています。新入生がその動画を見ることで、サークル側の作成したコンテンツが新入生により届くようになるのではないか、と考えています。昨年は新入生歓迎会情報を見つけることが困難でした。そのため現在作成中の新入生歓迎会関連のWebサイト上に新入生歓迎会イベントの情報を一元化してカレンダー形式で掲載することを考えています。見る場所を一ヵ所にまとめ、必ず新入生に届くようにするというのが私の役割であると考えています。1月に全塾協議会の特別委員会として新歓実行委員会を設置したのはそのためです。情報や問い合わせ先が一元化されることでシンプルになり動きやすくなったのかなと思っています。歓迎会をされる側に対しては情報を一元化し、する側に対しては情報が必ず届くようにする。これをオンラインで行う新入生歓迎会の基盤として固めていく方針です。

―――Twitterなどに関して、一括で見られる場所というのはハッシュタグを用いたものになるのでしょうか。

実はTwitterのリスト機能 を活用する予定です。よく見る活用方法としては、 ニュースをTwitterで見たい人がニュース用のアカウントリストを作ると、その日のニュースがタイムラインに並んでくるというようなものです。 それを使って新入生歓迎会アカウントのリストを作ろうという風に思っています。私の方からそのリストを提示すれば、新入生は自分から探しに行かなくとも、そのタイムラインを見ればみなさんが発信した情報が一覧になっているというのが一番美しい形かなと。まさに今様々な情報が Twitterに集中していると思います。そしてそういった情報はリスト機能で集約できると考えています。

※アカウントを一覧にまとめ、それらのアカウントだけのタイムラインがみられる機能のこと。

―――塾生代表としての目標を踏まえ、実際に就任してみて思っていたところと違うなと思った物事はありますか。

思っていたものと違うなというほどではないですが、良くも悪くも制度ができ上がっていると感じています。規約の整備、また学生から集めている資金を運用するのに十分な手立てが多く用意されていると感じました。もちろんそれは私の暴走を抑えるためなので非常に大切です。しかしそれゆえに動きにくさがあって、そういったところで時間を食うイメージはあるかもしれません。例えば現在メールのやり取りがスムーズにやりとりできないかと模索している最中で、必要に応じて規約を緩められるようにしていきたいと考えています。

なってみて感じたことという単純な認識であれば、塾生代表になったことで色々な人から見られる目が変わったなというのは改めて思います。今までは一塾生の山田健太がなにか言っているという認識でしたが、今は「塾生代表」としての意見を求められたり、自分の発言が慶應義塾大学の発言としてとられたりすることがあるので、身が引き締まる思いです。


またこれは役得だなと思っていることなのですが、慶應には様々な人が在籍しているということを肌で感じられるようになりました。今までは自分のキャンパスやサークルなど似たり寄ったりの人が多かったのですが、塾生代表になったことで、一気にいろいろな人に関わる機会が増えました。今までと違う意見を聞いたり、すごく色々なバックグラウンドをもった人がいたりして、シンプルに楽しんでいます。なってみて今一番感じている面白い点ですね。

―――七夕祭の幹部、新歓実行委員会の代表、インターンなど色々精力的に活動されていますが、キャパシティオーバーになったりしないのですか。

色々な方に救われているなというところがあります。周りの方々から塾生代表をしていることに対して配慮と理解をいただいているのですごく助かっています。どれか辞めないのかということに関しては、もちろん辞めたものも存在します。ですが色々なコミュニティで得られた知見を塾生代表に繋げていきたいという思いが強くあります。私自身できることは知れていますが、「塾生代表であり○○」の私がいることでうまく連携を取るなど、よりスピーディーに着手できることがあると思います。だから敢えて今辞めたりはしていません。今までと同じように活動できてはいないのですが、いい仲間に恵まれ、名称としては残っていても実務はかなり減っています。


また是非みなさんに伝えたいのは、塾生代表には沢山の仲間がいるということです。私一人が動いているわけではありません。 私の一番大事な仕事は意思決定やバッシングを含めた上での覚悟を持った舵取りであると思っています。そのため私自身が何かを直接するというケースはあまりなく、そういった意味では手数が足りないということはないです。私がするべきことは、他の職務で得た知見を用いて、塾生代表としての職務にツールについての知識だったり運用についての知識だったりをいかに塾生全体にフィードバックしていくか、というところだと思っています。 ―――今の塾生、そして新入生に向けてコメントをお願いします。 塾生に向けて 終始一番お願いしたいことは是非思っていることを伝えてほしいということです。塾生一人一人が見ている視点はそれぞれ違うので、3万人近い塾生の視点を共有してもらえればきっといい筋道が見えてくると思っています。私が気付いていない課題も必ずどこかにあるので、是非皆さんの声を届けて頂きたいと思います。また自分は塾生代表ですが、一塾生であるということに変わりはないので、一緒に問題を解決していくという意識でいます。皆さんが主体となり、それを支える橋を作っていくということが私の役割であると思っています。どっちに向かって走っているのか、どういう道を走っているのかという情報がないと良い橋は作れません。是非皆さんから情報を頂いて、良い橋を作るお手伝いをさせていただければと思います。


新入生に向けて 合格おめでとう!本当にお疲れ様でした。そして慶應義塾大学へようこそ! このコロナ禍での受験はとても大変だったと思います。私たちとしてはみなさんを仲間として迎えられる環境構築を進めています。新入生のみなさんにとって実りがあり楽しいと思え、入ってよかったと思えるような場所を作っていくので、是非皆さんよろしくお願いいたします。もし何かあればいつでも連絡ください! それでは入学式で会えるのを楽しみにしています。



 

山田塾生代表Twitter:https://twitter.com/yamada_ymkn

Comments


bottom of page