塾生に「交流の場」を。
2019年1月9日、三田部室にて、全国慶應学生会連盟の川原悠希さんにインタビューをさせていただきました。
―――団体概要をお聞かせください。
全国慶應学生連盟は2018年で70周年を迎えました。昔はSNSも発達しておらず、上京して独りぼっちの人が多かったので、そのような生徒を対象に集めた、というのがこの団体の起源になります。
様々な地方出身の方々とのつながりを慶應の中で発展させよう、という考えが根本にあり、三田祭などで地方の名産やイベント企画などを出店しています。例えば徳島学生会では、関東の大学で集まって阿波踊りを行うイベントなど、学生会が主体となって活動しています。
学生全体の3割しか地方の人がいない上、最近はSNSでも繋がることができるので、活路が狭まってきていますが、三田会との連携をとるなどもしています。
また、慶應義塾のために活動している団体でもあるので、今年から「入学センター」との関わりを始めました。
―――全体としての所属数はどのくらいになりますか。
諸説ありますね(笑)。
全国慶應学生連盟は認知度がある意味での会員数ともとらえられるので、正直なところはわからないですが、LINEの登録数はおよそ340人です。ただ、そのLINEに登録していなくても学生会に所属している会員やイベントに現れる会員もいるので、正しい数はわからないです。340人以上は所属していると思われます。
―――地域や都道府県別の学生会などの区別はどうなっていますか。
地域や都道府県別にはそれぞれ存在しています。ですが、最近は地方生の減少を受けて統合の動きを進めています。それでも、三田祭などのイベントによく出店する栃木や徳島は、都道府県別の学生会としてはかなり活発に活動していますね。
―――日ごろからの活動はなにかあるのでしょうか。
定期的に何かをやる、というわけではなく、あくまで「交流の場」を提供するのが団体としての目的です。
そのため、日ごろの活動は慶應義塾大学からくるアルバイトの斡旋が多いです。共済部さんとは違い、通信教育部のアルバイトやオープンキャンパス関連のアルバイトなど塾内でのアルバイトが非常に多いです。それ以外は、イベントごとで出店したり、連合三田会に参加したりしています。
また、他大学との交流もあり、最近では早稲田大学と合同でクリスマスパーティーを開きましたね。
―――去年、創立70周年を迎えたということで、それを記念して何かを行いましたか。
2018年8月4日に、塾長をお招きして三田キャンパスの南校舎カフェテリアで70周年式典を開きました。参加者はOB・OG含めて80名ほどで、大坂から90歳くらいになる方がお越しになるなど、幅広い世代の方々と執り行いました。
―――現状の課題などはありますか。
先ほども触れたのですが、やはり地方生が3割しかいないということですね。その3割には関東も含まれているので、その割合が減ってしまうと団体としてのアイデンティティが失われかねないのが非常に大きな問題です。
また、SNSの存在が大きくなったことです。それによりつながりや交流を全国慶應学生連盟にわざわざ求める必要性を感じなくなってしまう点も問題視しています。
―――地方向け、ということは東京を含まないのですか。
入れますよ。オープンです(笑)。
極端なことをいうと、東京の人が地方の学生会に入っている場合もあります。東京や神奈川でもそれぞれの学生会はありますが、例えば、身内のルーツが地方にあるのでそこの地方学生会に入る、など自身の出身に関係なく加入している方もいます。仮に関東の人が出身とは関係のない地方学生会に入っても地方学生会が排除する感じではありません。
―――興味があるだけでも入れるものなのですか。
入れなくはないと思います。ただ、その学生会が受け入れてくれるかは学生会によるって異なるので、必ずしも入れるとは言い切れませんね。例えば、関西学生会ではかなりオープンな風土もあるので大丈夫だとは思います(笑)。
―――関西の規模はかなり多い気がしたのですが。
関西の規模が一番大きいですね。東京より西だったら『関西』というような認識はありがちですし(笑)。
―――関西学生会独自でやっていることはありましたか。
かなり飲み会が多かった気がします(笑)。
―――ちなみに、北海道はありますか。
あるのですがどんどん衰退していますね。
個人的な考えではあるのですが、「○○出身」というくくりで考えるのは古いのかなと思っています。出身地を大切にしたり、話題にしたりすることは良いとしても、「出身地」という区切りで活動していたらいつまでも保守的になってしまうかもしれないと感じています。
―――加入方法を教えてください。
SNSやホームページを通じてですが「入りたいです」って言えば入れることができます(笑)。
やはり年度変わりには、加入数は多くなります。新入生だけでなく、在校生もいます。情報が流れるサービスなので、学年によって何かが変わるということはありません。
―――会費は発生しますか。
基本的には0円です。
個々のイベントではお金がかかりますが、年会費は徴収していません。
―――塾生にむけて伝えたいことはありますか。
団体の目標は「塾風の宣揚」と「地域文化の向上」、「塾生相互の親睦」の三つで、おそらく全塾協議会に所属している上部七団体に共通することだと思います。
独立団体に所属している学生が、全国慶應学生連盟を含めた上部七団体にかかわる機会が少ないのが現状だと思います。体育会が怖そう、と我々が思うのと同じように全塾協議会や全国慶應学生連盟にも実情に反したイメージがついているのだと感じます。
実際のところ、全国慶應学生連盟は上部七団体の中では一番入りやすいと思います。全国慶應学生会連盟に入会すると、意外にも慶應のことをより深く知ることができるかもしれません。塾内には多くの団体があり、塾生の団体とのかかわり方はさまざまであると思います。全国慶應学生会連盟のような、人とのつながりを大切にして、慶應を体感する組織に所属するのも非常に面白いかと思います。ぜひご入会お待ちしてます。
―――ありがとうございました。
Comments